この章の目的

子供の今の姿や、今できることだけで、その子の可能性を決めることはできない。

まだ経験していないこと、考えたことのないこと、言葉にしたことのないことにも、可能性があります。

その可能性に少しずつ気づき、自分自身の未来について考えてみること。

それが、能力開発の最初の一歩です。


1.今の自分だけで、未来を決めなくていい

「自分は、こういう人間だ」

「これは苦手だから、できない」

「自分には無理だ」

そんなふうに思うことがあるかもしれません。

でも、それは本当に「できない」のでしょうか。

もしかすると、まだやったことがないだけかもしれません。

まだ知らないだけかもしれません。

まだ考えたことがないだけかもしれません。

人は、自分が経験したことや、今知っていることをもとにして、自分自身を考えがちです。

だから、今の自分だけを見ていると、未来まで狭く見えてしまうことがあります。


2.まだ見えていない可能性がある

子供の今の姿だけを見て、その子の可能性を決めることはできません。

「今はできない」
「苦手だから向いていない」
「自分には無理だ」

そう思っていることの中にも、まだ経験していないこと、考えたことのないこと、言葉にしたことのないことがあります。

そこにも、まだ見えていない可能性があります。

大切なのは、無理に「できる」と思わせることではありません。

まず、

「もしかしたら、自分にはまだ知らない可能性があるかもしれない」

と、少しだけ考えてみることです。

それだけでも、今までとは違う方向に目を向けるきっかけになります。


3.未来を考えると、見えるものが変わる

今の自分だけを見ていると、未来は狭く見えることがあります。

今までの経験や、今知っていることだけを基準にすると、

「自分にはこれしかない」

と考えてしまうことがあるからです。

だからこそ、少し先の未来を考えてみます。

「これから、どうなりたいだろう」

「何をしてみたいだろう」

「こんなことができたら、どうだろう」

そんなことを考えてみる。

すると、今まで見えていなかったことに目が向くことがあります。

まだ経験していないこと。

まだ知らないこと。

まだ考えたことのないこと。

まだ言葉にできないこと。

そこにも、自分の未来につながる可能性があります。


4.最初は、うまく言葉にできなくてもいい

未来について考えようとしても、最初から自分の考えをきれいな言葉にできるとは限りません。

「なんとなく、こう思う」

「ちょっとやってみたい」

「理由は分からないけど、気になる」

それでもいいのです。

最初は、ほんの小さな言葉でも構いません。

頭の中にあるものを言葉にしてみる。

すると、自分でも気づいていなかったことが、少しずつ見えてくることがあります。

言葉にすることは、自分の考えを外に出すだけではありません。

言葉にすることで、自分自身が自分の考えを確認できるようになります。

そこから、「では、なぜそう思うのか」「どうしたいのか」と、さらに考えることが始まります。


5.「できるか」より、「考えてみる」ことから

能力開発というと、

「何ができるようになるか」

を考えることが多いかもしれません。

しかし、私たちは、その前に大切なことがあると考えています。

それは、

「自分は、どうしたいのか」
「何をしてみたいのか」
「どうなったらいいと思うのか」

と、自分自身について考えてみることです。

最初から答えが出なくても構いません。

考えてみる。

言葉にしてみる。

また考えてみる。

そうすることで、自分の中にある考えが少しずつ整理されていきます。


6.自分の可能性を、自分で狭めないために

人は、周りから言われたことや、自分自身の過去の経験から、

「自分はこういう人間だ」

と決めてしまうことがあります。

もちろん、これまでの経験は大切です。

でも、過去の経験だけで未来まで決める必要はありません。

これから経験すること。

これから知ること。

これから考えること。

これから言葉にすること。

その一つひとつによって、自分の考え方も変わっていきます。

だから、

今の自分を知ることと、未来の自分を決めることは、同じではありません。

今の自分を出発点として、そこから先を考えていけばいいのです。


7.私たちが大切にすること

私たちは、子供に「こうなりなさい」と答えを与えることを目的としていません。

また、子供の代わりに未来を決めることもしません。

大切なのは、

子供自身が、自分の可能性に少しずつ気づくこと。

そして、

自分の考えを言葉にし、自分で考え、自分で選び、自分で一歩を踏み出していくこと。

そのために、必要なきっかけや考える環境をつくり、子供自身の成長を支えていきます。


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子供の可能性は、今見えているものだけではありません。

まだ経験していないこと。

まだ考えていないこと。

まだ言葉にしていないこと。

そこにも、可能性があります。

そして、その可能性を少しずつ現実のものにしていくためには、「人は、そもそもどのように成長していくのか」を考える必要があります。

次の第2章では、私たちが考える「人の成長」そのものの捉え方について説明します。