投資・成果向上 マインドセット 第4回 ー 「予想しない」という投資判断

投資をしていると、誰もが一度は考えるのではないでしょうか。

「これから日経平均は上がるのか?」

「ここが底なのではないか?」

「そろそろ反発するのではないか?」

相場の先行きを予想することは、投資の醍醐味の一つでもあります。

しかし、私は現在、相場を予想して投資判断をすることは、ほとんどありません。

もちろん、相場の方向性を考えること自体を否定しているわけではありません。

私が大切にしているのは、

「これから相場がどうなるか」を予想することではなく、「自分のルールに該当する状況になったか」を判断すること

です。

今回は、私が投資をするうえで大切にしている「予想しない」という考え方について書いてみたいと思います。

1.相場の未来を予想することは難しい

投資では、将来の価格を正確に予測することはできません。

例えば、日経平均が大きく下落したとします。

「ここまで下がれば、そろそろ反発するだろう」

と考えるかもしれません。

しかし、その後さらに下落する可能性もあります。

反対に、

「まだ下がるだろう」

と思っていたところから、急激に反発することもあります。

つまり、

「ここが底だ」と思った場所が、本当の底とは限りません。

これは当たり前のことですが、実際にポジションを持つと、この単純なことを忘れてしまうことがあります。


2.「予想」と「判断」は違う

私が意識しているのは、

予想と判断を分けること

です。

例えば、

「日経平均はこれから上がると思う」

これは「予想」です。

一方、

「自分が決めた条件を満たしたので、買いエントリーする」

これは「判断」です。

この2つは似ているようで、実際には大きく違います。

予想を基準にすると、

「上がると思ったから買った」

という判断になります。

しかし、ルールを基準にすると、

「条件を満たしたから買った」

という判断になります。

私は、後者の方が投資を継続するうえで重要だと考えています。


3.「当たるかどうか」から離れる

投資判断をするとき、

「自分の予想は当たるのか?」

と考えてしまうと、どうしても結果に感情が左右されます。

予想通り上がれば、

「やっぱり自分の考えは正しかった」

と思う。

逆に下がれば、

「なぜ予想が外れたのか」

と考えてしまう。

そして、場合によっては、損失を取り戻そうとして、当初のルールにはなかった取引をしてしまうこともあります。

そこで私は、

「予想が当たったかどうか」ではなく、「自分のルールを守れたかどうか」

を重視しています。


4.私が重視しているのは「期待値」

もちろん、何でもルールにすればいいというわけではありません。

そのルール自体に、ある程度の優位性が必要です。

私の場合は、日経225の値動き、特にボラティリティを利用し、一定の条件に該当した押し目の局面を狙うことを基本としています。

重要なのは、

「この先、日経が上がる」と考えているから買うのではない

ということです。

自分の過去の検証や経験から、

「この条件では、長期的に見れば期待値がある」

と判断しているからエントリーします。

もちろん、一回一回の取引では負けることもあります。

しかし、一つの取引の結果を予想するのではなく、

同じルールを繰り返したときに、トータルで期待値がプラスになるか

という考え方をしています。


5.「勝つため」ではなく「ルールを実行するため」

投資を始めた頃は、

「どうすれば勝てるのか」

ということを考えがちです。

しかし、投資を続けていくと、

「勝つこと」だけを目標にすると、判断が不安定になることに気付きます。

一度の損失でルールを変えたり、

利益が出たことで強気になったり、

相場の雰囲気によって判断を変えたりするからです。

そこで、

「勝つこと」ではなく「決めたルールを実行すること」

を一つの目標にします。

ルール通りにエントリーする。

ルール通りに決済する。

条件に該当しなければ何もしない。

これを繰り返します。


6.「何もしない」という判断

投資では、

「買う」

「売る」

という行動に注目しがちです。

しかし、私は、

「何もしない」ことも重要な投資判断

だと考えています。

自分のルールに該当しないのであれば、無理に取引する必要はありません。

相場は毎日動いています。

しかし、自分にとってすべての値動きが投資機会になるわけではありません。

条件が整うまで待つ。

その間は何もしない。

そして、自分のルールに該当したときだけ行動する。

この「待つ」ということも、投資における重要な能力の一つだと思っています。


7.大きな損失を経験して変わったこと

私自身、これまでの投資経験の中で、大きな損失を経験したことがあります。

その経験は、精神的にも決して小さなものではありませんでした。

しかし、その経験があったからこそ、

「利益を増やすことだけを考えてはいけない」

ということを強く意識するようになりました。

相場では、自分が考えていた以上の値動きが起こることがあります。

「ここまで下がれば反発するだろう」

という予想が外れることもあります。

だからこそ、

予想を当てることよりも、予想が外れたときにどう対応するか

の方が重要だと考えています。


8.相場に対して「期待」はする。でも「予想」はしない

これは、現在の私の投資に対する考え方を一番表している言葉かもしれません。

私は相場に対して、

「期待値」は持っています。

しかし、

「予想」はしません。

この二つは似ていますが、意味は大きく違います。

「必ず上がる」と考えるのではなく、

「自分の条件では、長期的に見て期待値がある」

と考える。

だから、目の前の一回の取引で結果が出なくても、必要以上に感情を動かされません。

一つの取引ではなく、一連の取引の集合として投資を見るという考え方です。


9.投資では「正解を当てる能力」だけが重要なのではない

投資では、

「どこで買うか」

「どこで売るか」

というテクニックが注目されがちです。

しかし、長期的に投資を続けるためには、

  • 自分のルールを作る
  • そのルールを検証する
  • ルールに該当したときだけ行動する
  • 該当しなければ待つ
  • 損失が出ても感情でルールを変更しない
  • 利益が出ても過信しない

ということも非常に重要です。

つまり、

投資で必要なのは「当てる能力」だけではなく、「決めたことを継続して実行する能力」

なのだと思います。

これは、前回までのコラムで書いてきた「遂行能力」にもつながります。


10.相場をコントロールすることはできない

私たち投資家がコントロールできることには限界があります。

日経平均が上がるか下がるか。

どれだけ大きな値動きになるか。

いつ急落が起こるか。

これらを自分の都合で変えることはできません。

一方で、

自分のポジションサイズ

エントリーする条件

決済する条件

投資資金の管理

損失が発生したときの対応

などは、自分で決めることができます。

だからこそ、

コントロールできないものを予想し続けるより、コントロールできるものを管理する。

私は、この考え方が投資では非常に重要だと思っています。


まとめ

投資では、相場の未来を予想したくなります。

「上がるのか」

「下がるのか」

「ここが底なのか」

しかし、未来を正確に予測することはできません。

だからこそ私は、

「相場を予想する」のではなく、「自分のルールに該当したか」を判断する

ことを大切にしています。

相場に対して期待値は持つ。

しかし、結果を予想しない。

ルールに該当すれば行動する。

該当しなければ待つ。

そして、結果がどうであっても、長期的な期待値を信じてルールを繰り返す。

投資において重要なのは、

「次の値動きを当てること」ではなく、「自分が決めた投資判断を継続して実行できること」

なのだと思います。

そして何より、

市場をコントロールすることはできなくても、自分の行動はコントロールできる。

私は、この考え方をこれからも投資の基本として大切にしていきたいと思っています。


カテゴリー:資産形成
テーマ:13|投資マインド・投資行動

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