投資・成果向上 マインドセット 第6回 ー「利益を伸ばす」より「利益を残す」―― 複利運用の考え方

投資をしていると、

「どれだけ利益を出せるか」

ということに意識が向きます。

しかし、長期的な資産形成を考えるとき、私は、

「利益を出すこと」と同じくらい、「出した利益を残すこと」が重要

だと考えています。

利益を確定し、その利益を次の投資につなげる。

そして、さらに増えた資産を次の投資に活用する。

この繰り返しによって、資産は少しずつ成長していきます。

これが、いわゆる「複利」の考え方です。

1.複利とは「利益にも働いてもらう」ということ

例えば、100万円を運用して10%の利益が出たとします。

100万円が110万円になります。

ここで利益の10万円を取り出してしまえば、次の運用は再び100万円から始まります。

一方、その10万円を運用資金に残せば、

110万円を次の投資に使うことができます。

そこでさらに10%の利益が出れば、

110万円 → 121万円

となります。

このように、

元本だけではなく、これまでに生み出した利益も次の利益を生むために働かせる

というのが複利の考え方です。


2.複利の本当の力は「時間」にある

複利は、短期間ではそれほど大きな違いを感じないかもしれません。

しかし、時間が長くなるほど、その差は大きくなります。

最初は小さな利益でも、

利益が利益を生む。

その利益がさらに利益を生む。

これが繰り返されることで、資産の成長スピードが変わっていきます。

つまり、複利において重要なのは、

「一度に大きく増やすこと」ではなく、「利益を次の成長につなげること」

です。


3.ただし、複利には注意点もある

複利という言葉を聞くと、

「利益をどんどん再投資すればいい」

と思うかもしれません。

しかし、私はそれだけでは危険だと考えています。

なぜなら、

利益が増えれば、同時に運用する金額も大きくなるからです。

100万円を運用して10%下落すれば10万円の損失です。

1,000万円を運用して10%下落すれば100万円の損失になります。

つまり、

資産が増えるほど、同じ「10%」でも金額としてのインパクトは大きくなる

ということです。

だからこそ、複利運用にはリスク管理がセットで必要になります。


4.「利益が出たから、すぐにリスクを増やす」わけではない

資産が増えると、

「もっと大きなポジションを持てる」

と考えることができます。

しかし、私は、

資産が増えたことと、リスクを増やしてよいことは同じではない

と考えています。

複利運用で大切なのは、

「利益が出たから、もっと大きく賭ける」

ことではありません。

むしろ、

「増えた資産を次の成長にどのようにつなげるか」

を考えることです。

そのためには、投資ルールとリスク管理を維持しながら、運用規模を段階的に調整していくことが重要になります。


5.私が考える「利益を残す」という考え方

投資では、利益を出すことばかりに目が向きます。

しかし、

利益を出しても、その後の大きな損失で利益を失ってしまえば、資産形成は前に進みません。

だから私は、

「利益を伸ばす」ことだけではなく、「利益を残す」こと

を大切にしています。

利益を残す。

その利益を次の投資に活用する。

さらに利益が生まれる。

そして、その利益をまた残す。

この繰り返しが、複利の基本だと考えています。


6.複利は「株数・ロットを増やすこと」だけではない

複利というと、

「利益が増えたら取引数量を増やす」

というイメージがあるかもしれません。

しかし、本来の複利の考え方はもっと広いものだと思います。

例えば、

  • 投資資金を増やす
  • 利益を再投資する
  • リスクを一定に保ちながら運用規模を調整する
  • 利益の一部を現金として確保する

こうした方法も含めて、

「生み出した利益を、次の資産形成にどう活用するか」

を考えることが複利につながります。


7.「利益+10%」を一つの区切りにする

私は、資産が一定割合増えたことを一つの区切りとして考える方法も有効だと思っています。

例えば、

元本100%

110%

120%

130%

というように、一定の利益が積み上がるごとに、運用規模を見直していく方法です。

重要なのは、

利益が出たから無条件にポジションを大きくするのではなく、あらかじめ決めたルールに従って段階的に調整すること

です。

これなら、相場の勢いやそのときの感情によって、急激にリスクを増やすことを防ぎやすくなります。


8.複利運用で最も重要なのは「継続」

複利の計算だけを見ると、

「最初に大きな利益を出せばいい」

と思ってしまうかもしれません。

しかし、実際には逆です。

複利の力を活かすためには、

長期間、運用を継続すること

が必要です。

だからこそ、第5回で書いた、

「市場から退場しない」

という考え方が、複利運用にもつながります。

市場から退場しない。

資産を守る。

利益を残す。

そして、その利益を次の成長につなげる。

この循環ができて初めて、複利の力が生きてくるのだと思います。


9.資産が増えるほど「守る」という考え方が重要になる

例えば、100万円から始めた資産が200万円になったとします。

ここで、

「元本が2倍になったから、もっと大きく運用しよう」

と考えることもできます。

しかし、私は同時に、

「ここまで増えた100万円分の利益を、どう守るか」

を考える必要があると思います。

資産形成では、

増やす → 守る → また増やす

という循環が重要です。

一方的に「増やす」だけでは、長期的な資産形成にはつながりません。


10.複利は「お金」だけではない

私は、複利という考え方は投資だけに限らないと思っています。

知識も同じです。

一つ学ぶ。

それを実践する。

実践から経験を得る。

その経験を次の判断に活かす。

そして、また新しい知識を得る。

この繰り返しによって、知識や経験も積み重なっていきます。

資産形成も同じです。

小さな成果を積み重ね、それを次の成長につなげる。

これが複利の本質なのではないでしょうか。


まとめ

投資では、

「どれだけ大きな利益を出せるか」

に注目しがちです。

しかし、長期的な資産形成を考えるのであれば、

「利益を出すこと」

だけではなく、

「その利益を残し、次の成長につなげること」

が重要です。

利益を残す。

その利益を再び働かせる。

さらに利益が生まれる。

そして、その利益をまた次の成長につなげる。

この積み重ねが、複利の力です。

ただし、資産が増えるほど、同時にリスクも大きくなり得ます。

だからこそ、

複利とリスク管理は切り離して考えることができません。

市場から退場しない。

利益を残す。

そして、残した利益を次の成長につなげる。

私は、

「利益を最大化すること」よりも、「利益を残しながら、長く資産を育てること」

の方が、長期的な資産形成において重要だと考えています。


カテゴリー:資産形成
テーマ:13|投資マインド・投資行動

※当サイトに掲載するオリジナルの文章・画像等の無断転載・複製・転用はご遠慮ください。